事務所だより第49回
税制改正特集②
○ 住宅のリフォーム費用、減税枠が拡大されました
ご自宅の天井、塀等の断熱工事などの省エネ改修工事、車いすでの移動のため出入り口の幅を広げるなどのバリアフリー改修工事をされた場合、所得税額の控除枠が僅かですが下記のように拡大されました。(平成25年1月より)
・省エネ改修工事 ・ バリアフリー改修工事
工事費限度額 控除率 控除限度額 以前 工事費限度額 控除率 控除限度額 以前
250(350)万円 10% 25(35)万円 20(30)万円 200万円 10% 20万円 15万円
※( )内の金額は省エネ改修工事と併せて
太陽光発電装置を設置する場合の金額です
ⅰ税額控除を受けるための省エネ改修工事、バリアフリー改修工事共通の主な要件
イ、 工事費用は30万円を超えるものであること。
ロ、 工事をした日から6か月以内に居住の用に供していること。
ハ、工事をした後の住宅の床面積が50㎡以上であること。
ⅱ ⅰのほか税額控除を受けるためのバリアフリー改修工事独自の主な要件
工事を行うものが次のいずれかの者であること
イ、 50歳以上の者
ロ、 介護保険法に規定する要介護又は要支援の認定を受けている者
ハ、 所得税法上の障害者である者
ニ、 65歳以上の親族又は上記ロ又はハに該当する親族と同居している者
ひと言
改修工事をされる時は業者からも説明があると思いますが、上記の他いくつかの要件がありますので、前もってお問い合わせ下さい。金額はショボイと思われるかもしれませんが、税額控除ですから税金を直接減らすことができるので、それなりの意味はあると思います。
余談ながら、当初は消費税増税時の平成26年4月から控除枠拡大の予定でしたが、財務省の職員の法案記載
ミスにより本年1月から前倒しの適用になったとのことです。
○ 相続時精算課税制度、お孫さんにも使えるようになりました
現 行 平成27年1月1日以後の贈与
受贈者 20歳以上の推定相続人 ⇒ 20歳以上の推定相続人及び孫
贈与者 65歳以上の者 60歳以上の者
※ 相続時精算課税制度とは、贈与した人が亡くなった時に相続税の対象にすることを条件に、2,500万円(預貯金、不動産など資産の種類は問いません)まで、贈与税を非課税にする制度です。
ひと言
前回掲載しました教育資金非課税制度も合わせると、なんと4,000万円まで贈与税は非課税でお孫さんに財産を移せるようになります。ただし、相続時精算課税制度は贈与した時の贈与財産の価額が相続税の対象になりますので、相続税の非課税枠(平成27年1月1日以降は、3,000万円+600万円×推定相続人の数になります)以上の財産をお持ちの方は、年数が経つほど価値が下がる家屋、将来地価が下がると見込まれる土地などの贈与は見合わせられた方が良いでしょう。
○ 役人に説明なんかいらない・・・
今資金繰りが苦しく、消費税などの税金を分割納付にしている方が多いです。去年も書いたのですが、分割にする際の税務署の対応にかなり不満があります。消費税は一括納付が原則ではあるので、前もって税務署に連絡しておくのが筋と言えばそうですが、電話で分割が認められる場合もあれば、分割でないと納付できない事情を説明に来いという場合もあり、あまりにも対応がバラバラです。延滞税をかけても納めていくと言っているのだから、わざわざ時間を使って税務署に説明に行く必要はないと思います。税務署に行って嫌味を言われ、結局分割が認められない時もあります。
税法上の規定など言いだすとキリがなくなるので差し控えますが、感情的にひとこと言えば、商売のしんどさを知らない、何をするにも形式的で、税金を丁寧に使おうという意識のない役人に何を説明するのか、という気持ちです。納税が苦しい時は、こちらで勝手に分割にしてしましましょう。もし税務署から問い合わせがあれば、一応の納税計画でも伝え、資金繰りが苦しいということで押し切るということで良いと思います。
ちなみに、多少手間はかかりますが、3ヶ月ごと又は毎月、消費税の申告をして納税をしていく方法もあります。資金繰り次第では延滞税は納めなくても済むかもしれません。よろしければご検討下さい。