現在は3万円未満の領収書等について印紙を貼らなくていいことになっていますが、平成26年4月1日以後発行される領収書について、5万円未満のものにには、印紙を貼らなくてよくなります。最低額が200円の印紙ですが、年間にするとバカにならない額になったりします。お忘れのないようにお願いします。
税務署の人事異動は毎年7月、引き継ぎがひと段落し、夏季休暇が終わった9月ごろから税務調査が本格化します。
決して気分のいいものではありませんが、事業をしていれば多少なりとも税務調査の可能性はあると言わなければなりません。そこで、今回から税務調査について注意点などをお話しさせていただきたいと思います。
税務調査の大筋の流れとしては、
税務署から調査の連絡 → 税務署が事業所に来て調査 → 税務署の指摘について主張、交渉 → 結論がでた時点で終了
という風になります。基本的のこの流れに沿って進めさせていただきます。
税務調査のまず第一段階として、税務署から納税者の事業所に出向きたい旨の連絡があります。ほとんどが税務署側の希望の日時を言ってきますが、それに合わせる必要は全くありません。国税局の強制捜査ではない限り、あくまで任意調査ですから、こちらの都合のいい日時に税務署側が合わせるべきです。 たいてい過去3年分が調査の対象になりますが、その期間の証票類を揃えたり、こちらも準備が要ります。短くても調査依頼の連絡があってから1週間から10日はあけ、ご自分の都合のよい日を指定して下さい。 通常2日間調査をさせてほしいと言ってきますが、できれば連日で2日でないほうがいいと思います。とりあえず1日決めて、後一日は初日の調査が終わってから、さらに間隔をあけて決めるほうがいいでしょう。
税制改正特集②
○ 住宅のリフォーム費用、減税枠が拡大されました
ご自宅の天井、塀等の断熱工事などの省エネ改修工事、車いすでの移動のため出入り口の幅を広げるなどのバリアフリー改修工事をされた場合、所得税額の控除枠が僅かですが下記のように拡大されました。(平成25年1月より)
・省エネ改修工事 ・ バリアフリー改修工事
工事費限度額 控除率 控除限度額 以前 工事費限度額 控除率 控除限度額 以前
250(350)万円 10% 25(35)万円 20(30)万円 200万円 10% 20万円 15万円
※( )内の金額は省エネ改修工事と併せて
太陽光発電装置を設置する場合の金額です
ⅰ税額控除を受けるための省エネ改修工事、バリアフリー改修工事共通の主な要件
イ、 工事費用は30万円を超えるものであること。
ロ、 工事をした日から6か月以内に居住の用に供していること。
ハ、工事をした後の住宅の床面積が50㎡以上であること。
ⅱ ⅰのほか税額控除を受けるためのバリアフリー改修工事独自の主な要件
工事を行うものが次のいずれかの者であること
イ、 50歳以上の者
ロ、 介護保険法に規定する要介護又は要支援の認定を受けている者
ハ、 所得税法上の障害者である者
ニ、 65歳以上の親族又は上記ロ又はハに該当する親族と同居している者
ひと言
改修工事をされる時は業者からも説明があると思いますが、上記の他いくつかの要件がありますので、前もってお問い合わせ下さい。金額はショボイと思われるかもしれませんが、税額控除ですから税金を直接減らすことができるので、それなりの意味はあると思います。
余談ながら、当初は消費税増税時の平成26年4月から控除枠拡大の予定でしたが、財務省の職員の法案記載
ミスにより本年1月から前倒しの適用になったとのことです。
○ 相続時精算課税制度、お孫さんにも使えるようになりました
現 行 平成27年1月1日以後の贈与
受贈者 20歳以上の推定相続人 ⇒ 20歳以上の推定相続人及び孫
贈与者 65歳以上の者 60歳以上の者
※ 相続時精算課税制度とは、贈与した人が亡くなった時に相続税の対象にすることを条件に、2,500万円(預貯金、不動産など資産の種類は問いません)まで、贈与税を非課税にする制度です。
ひと言
前回掲載しました教育資金非課税制度も合わせると、なんと4,000万円まで贈与税は非課税でお孫さんに財産を移せるようになります。ただし、相続時精算課税制度は贈与した時の贈与財産の価額が相続税の対象になりますので、相続税の非課税枠(平成27年1月1日以降は、3,000万円+600万円×推定相続人の数になります)以上の財産をお持ちの方は、年数が経つほど価値が下がる家屋、将来地価が下がると見込まれる土地などの贈与は見合わせられた方が良いでしょう。
○ 役人に説明なんかいらない・・・
今資金繰りが苦しく、消費税などの税金を分割納付にしている方が多いです。去年も書いたのですが、分割にする際の税務署の対応にかなり不満があります。消費税は一括納付が原則ではあるので、前もって税務署に連絡しておくのが筋と言えばそうですが、電話で分割が認められる場合もあれば、分割でないと納付できない事情を説明に来いという場合もあり、あまりにも対応がバラバラです。延滞税をかけても納めていくと言っているのだから、わざわざ時間を使って税務署に説明に行く必要はないと思います。税務署に行って嫌味を言われ、結局分割が認められない時もあります。
税法上の規定など言いだすとキリがなくなるので差し控えますが、感情的にひとこと言えば、商売のしんどさを知らない、何をするにも形式的で、税金を丁寧に使おうという意識のない役人に何を説明するのか、という気持ちです。納税が苦しい時は、こちらで勝手に分割にしてしましましょう。もし税務署から問い合わせがあれば、一応の納税計画でも伝え、資金繰りが苦しいということで押し切るということで良いと思います。
ちなみに、多少手間はかかりますが、3ヶ月ごと又は毎月、消費税の申告をして納税をしていく方法もあります。資金繰り次第では延滞税は納めなくても済むかもしれません。よろしければご検討下さい。
税制改正特集③
○ 設備投資がし易くなりました。
商業、サービス業を営む青色申告書を提出する資本金1億円以下の法人や個人事業者が、一資産あたり60万円以上の建物付属設備や30万円以上の器具備品(新品に限ります)を購入したときは、30%の特別償却か7%の税額控除ができるようになりました。
[対象期間]
平成25年4月1日から平成27年3月31日の間に購入し使用したもの
[建物付属設備、器具備品の例]
電気設備 冷暖房設備 給排水設備 応接セット 陳列棚 コピー機 看板 通信機器
[計算例]
業務用のエアコンを取り換え、工事を含め100万円を支出しました。
・特別償却を選択した場合
100万円×30%=30万円 ⇒ 通常の償却に加算して30万円を経費にできます。
・税額控除を選択した場合
100万円×7%=7万円 ⇒ 法人税額又は所得税額から7万円を控除できます。
ひと言
設備投資は利益と資金繰りが一致しない原因の一つですが、これで少しは緩和される可能性があります。
購入した資産の価額は原則一括経費にできるようにするべきだと思います。せめて27年3月までの期間制限は無くなり恒久法令になることを望みます。
平成24年10月26日発行
・奥さんのパート収入、本年分のご確認を
・相続、もめる背景
~コミュニケーションの欠如
・税務調査対策(6)
~法人の調査のはずが個人事業時代が対象?
・よもやま話
~サービスが先、利益は後?
・ホットひと息月間あれこれ~睡眠障害